第4回平間塾オンライン写真展

中塚 雅子(MASAKO NAKATSUKA)

居場所

私は家が大嫌いだった。
部屋の中はいつも物が散乱としていて、それが原因の1つで両親は喧嘩をしていた。
私は綺麗な部屋で家族仲良く過ごしている友人の姿をみて、羨ましさと共に劣等感を持つようになった。
私はsacaiの洋服が大好きだ。
sacaiの洋服は異質の素材を組み合わせた独特のシルエットで、その違和感に魅力を感じた。
sacaiの洋服をより違和感が引き立つコーディネートを考えることが好きだった。
幼い頃から感じていた違和感と好きな洋服が実はシンクロしているのではないかという平間の言葉から、私にとって違和感は最も魅力的な事であり、それは育った環境から生まれたものだった。
最も見られたくない家の中で最も見られたい洋服を着た。
そして私は幸せにずっと生きていたことに気がついた。

1983年生まれ。東京育ち。
大学卒業後、15年間洋服に関わる仕事に就く。
2020年に平間至の写真家生活30周年企画「あなたの写真集作ります」で被写体を経験し、写真に興味を持つ。
2021年より平間写真館TOKYOのスタッフとして働くようになる。今回人生初の作品制作となった。