NEWS / CAMPAIGN
「平間至写真館大博覧会」東京会場終了致しました
Tuesday, January 29th, 2019
1月28日をもって「平間至写真館大博覧会」東京会場を無事に終えることができました。
本展示での平間の挨拶文が印象的な言葉だったので改めて、掲載させて頂きます。
ご来場頂いた皆様に深く御礼申し上げます。
生き生きとした魂を残す
祖父が宮城県塩釜市で平間写真館を始めたのは1926年のことでした。それから80年以上の時を経た2015年、僕は東京・世田谷で平間写真館を再開することになりました。 若い僕にとって、東京での様々なメディアの仕事に携わることは憧れでもあった一方、故郷や写真館を捨ててしまったような後ろめたさを常に抱えていたように思います。
2011年、故郷が東日本大震災により甚大な被害に見舞われ、沢山の無残な死を目の当たりにしたとき、自分にできることは生き生きとした魂を写真に残すことではないかと思いました。 ある日、「自分の遺影を撮ってほしい」という紳士が、突然写真館を訪ねてきました。この遺影撮影がきっかけで、写真は肉体が無くなった後の魂の居場所になり得るのではないかと考えるようになりました。 古くから「写真を撮られると魂が抜かれる」と言われていたのは、実はこういうことだったのだと思うのです。
「平間至写真館大博覧会」では、平間写真館TOKYOを開業した2015年から2018年までに撮影された写真の中から精選した作品を展示します。 写真館で撮影された写真は世代を超え、残されることを積極的に意識されたものです。 あまりにも早いサイクルで、記録さえも消費されていく現代社会だからこそ、写真を残していく大切さと、その価値を伝えたいと思っています。
最後になりましたが、企画制作のコンタクトの佐藤正子さん、アートディレクションを担当していただいたナノナノグラフィックス のおおうちおさむさん、そして、開業以来、平間写真館に足を運んでくださったすべての皆様に感謝申し上げます。今回、チームのように一緒に写真展を作りあげることができ、何より嬉しいです。
平間至